栄養素からみる「むくみ」と「高血圧」


前回のブログで、「むくみ」について、

 

毛細血管やリンパ管に吸収される水分が少ないから、むくむ。。

そんなお話しをしました。

それって、当たり前と言えば、、当たり前な話。

 

では、なぜ吸収される水分が少ないのでしょうか???

 

それには体内のナトリウムとカリウムという栄養素が深くかかわっています。

 

ナトリウムとカリウムはともに細胞の内外の浸透圧を一定に保つ働きをしています。そして筋肉、神経の働きにも関与しています。

ナトリウムの多くは血液、細胞外に、カリウムは細胞内にその多くは存在しています。

 

糖質制限の基本書と言われる

やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴

 に次のような記述がありました。

(以下抜粋)――――――――

インスリンの作用のひとつは腎臓によるナトリウムの排出の速度を落とすこと。

身体内にナトリウムがたくさんあると、体は液体を保持しがちです。

それもあって、炭水化物の多い食事をとる人は、やや「水太り」になる

ことがあり、膝から下のむくみとして表れます。

――――――

 

なーるほど、、

 

話しは少し逸れますが、、

高血圧は血液内のナトリウム濃度が高くなり、その濃度を薄めようとして、

体液が血管内に入って血管を圧迫することで血圧が高くなってしまいます。

 

ナトリウムは主に塩、スナック菓子や外食、加工食品に多く含まれ、過剰

摂取が問題となっています。 高血圧の人は、塩分控えめって言いますよね。

 

カリウムはナトリウムの吸収を抑え、尿中にナトリウムを排出させる働きがあります。

カリウムの働きによって、血中のナトリウム濃度が下がり、よって血圧を安定させます。

高血圧の人は積極的に摂りたい栄養素です。

 

 

話しを「むくみ」に戻します。

 

体内のナトリウム濃度が高ければ、体内の水分を保持して濃度を薄めよ

うとする。

そして、むくみが生じるわけです。

カリウムを積極的に摂ることで、ナトリウムの排出を促進し、ナトリウム濃度

が下がることで、余分な水分も排出され、むくみが解消します。

これって、高血圧の対処法と同じ。

 

血管内のナトリウムが水分を呼び込めば、高血圧。

細胞外のナトリウムが水分を呼び込めば、むくみ。

 ってことです。

 

むくみ=高血圧かというと、きっとそうではないのかもしれませんが。

高血圧になりやすい人、むくみやすい人、、個人差があって人それぞれ。

でも、無関係ではない。

 

「むくみ」にも「高血圧」にもなカリウムは積極的に摂りたい栄養素です

が、夏は特に汗と共に奪われ、カリウムが不足しがち。

カリウムが不足すると、夏バテの原因にもなりますので、要注意!

 

カリウムが多く含まれる食品はアボカド、ホウレン草、納豆、海藻類などを

積極的に食べましょうね。

 

 

そして、最後に・・

 

ナトリウムは主に腎臓でろ過、排出をしています。 通常の食事では

ナトリウム不足は心配なく、過剰摂取が懸念されます。

体内のナトリウム過剰が続くと腎臓が一生懸命に働き続けることに

なります。

 

そして、本の抜粋に戻るわけですが、、

インスリンは腎臓によるナトリウムの排出の速度を落とす・・・

つまり、炭水化物や甘いもの、塩分過多の食事は、腎臓にめちゃくちゃ

負担をかけるということ。

 

ナトリウム(塩分)を排出しようと一生懸命に腎臓がろ過作業をしようとするのを、

炭水化物の摂取で排出されたインスリンがストップをかける。。。

腎臓にとっては、負担大、、大変ですよね?

 

 

糖質制限食を続けると、糖尿病の改善はもちろんですが、高血圧もよく

なるって話はよく聞きます。

つまり、ナトリウムの排出がうまくいって血圧が上がりにくくなるってことですね。

 

体内のナトリウム濃度が下がりすぎるのも、もちろん問題ですが、

体の生理作用を十分に理解して、塩分と水分の摂取を心がけることが

大切ですね。

 

 

☆fukuiku とべ☆